木型をつくる
からはじまる靴
展'
代官山 ギャラリー無垢里
5/13(金)〜5/18(水)
今回は、ようやく腹をくくって、私が作っていて一番楽しくて一番お客様にも喜んで貰える靴作り。
つまり、左右それぞれきちんと足に合わせた個人保有の木型を作って頂くことから始まる靴とのくらし。
をご提案したいと思っています。
Facebookでも連日アップしていますが、日々のネタとごたまぜなので、ブログにも連投していきます!
個展に向けた長くなりそうな話 シリーズ。
まずは①
kisakishoesはハンドメイドの靴屋です。
ハンドメイドの何が良いかというと、
手作業ならではの温もりだとか、、は好みの話として、一番わかりやすいのは、
機械では出来ない事をやれる。
って事です。
これだけ機械の技術があり、それでもなお、出来ない事。。。それは、毎回違う物を作る&感覚的な判断が必要なものを作る。
って事です。
それ、って、、、。
靴作りの場合、
足の形。
つまり木型です。
木型がない事には靴は作れませんから。
(先住民たちのモカシン製法などは例外として)
右も左も違う足。
私は長さだけでも8㎜違います。みんな違います。その人の個性に沿った木型。
一足の中でも、違う物をつくる。
(靴は何故2つも作ってるのに、1足なんだ!という当たり前だが驚きの事実。)
そして、お客様にとってオーダー靴で得する事、って何か分かりますでしょうか。
靴を作る度に、1足目より2足目。
2足目より3足目、、、という具合に、フィッティングをあげて行ける事です。
それには、個人保有の木型がないと、微修正出来ないし靴は作れないのでありますーっ!
木型と言っても様々な方法論があり、同じ足に合わせた木型でも職人によって解釈は違います。
kisakishoesの木型作りのベースは、
きちんと、足に合わせる。
緩く作ってあとからアーチの形状のパッドやクッションを入れて合わせていくのではなく、そもそも木型で合わせて行く。という考え方です。
もちろん、場合によってはクッション的なものも使用しますが、あくまで木型がベースになります。
木型をつくる事によって、二足目以降、また、修理、と持続可能な靴とのくらし、がスタートします。
②
次は靴の中の話。
普段履いている靴の中の薄い革を剥がした下にあるパーツ、
それがインソールです。kisakishoesではカジュアルな靴でも全て5ミリ厚以上の一枚革を使っています。(それにも色々と種類がありますが)。これがまず、足に大事なパーツになります。
見えないパーツではありますが、一般的な既成靴と素材も、考え方も、大きく違うパーツでもあります。
足に合わせて作った木型のカーブに吸い付くように、濡らした革をしっかり引きながら木型に釣り込んで行きます。数日乾かしてから、作業に入ります。
濡らした状態で引っ張る→乾かす→革が形を記憶する。
革ならではの特性を生かした工程で、考えた人は天才だと思います(笑)。インソールが木型の形状を記憶し、型崩れしないで、なおかつ歩く事で足の骨の形状に沈んで行く、そして通気性にも優れている。
靴になった後で、音が鳴ったり、革の表面が割れたり、汗や皮脂でツルツルになって足が滑る、などの不快感がないように、あらかじめ革に加工してから釣り込んで行きます。
厚みのある革を使う、濡らしてしっかり引っ張る、乾かす、
どの工程も靴の履き心地の土台になる大事な時間です。
足に合わせた木型があって、そのカーブの形状を記憶しているインソールを作ること。これもオーダー靴の'外から見えない大事な事'です。
③につづく、、、。