kisakishoesの日記

注文靴と靴教室 キサキシューズ

知らなかった筋肉。

春ですねー!去年のサンダルサンプルがお似合いだったので、ベランダのオリーブと記念撮影。
このオリーブの木は、以前工房スペースを間借りしていた老舗サーフショップのオーナーさんから、
引っ越し時に頂いたもの。冬の間、心配でしたがようやく息を吹き返しほっとしました。

暖かくなるとしたいこと、、、と言えば、私ごとですが、30代中盤からサーフィンを始めて、
そのあり得ない心地よさにすっかりとりこになっているのですが(最近全然行けてないけど。)、
始めたばかりの頃の最初の難関は、まず波に乗る以前に、そのためには沖に出なくてはならない、、、、
=ボードを漕がなくてはならない、、、という、見てるとみんな簡単そうにやっている事なのですが、
これがいくら漕いでも進まない!
で、腕が上がらなくなって海から上がる。という事をしばらく繰り返す事になるのです。
そして一度も波に乗っていないのに、ありえない筋肉痛が肩甲骨の中の方に、、、
通称、「パドル筋」というらしいのですが、これが出来上がるまではどうにもコントロール不能な状態を
海で繰り返すという、確実に日常生活で使わない筋肉の存在を知るのです。
サーフィンの師匠に「空中は漕がなくていいから!」と何度もつっこまれましたが、
自分としては水の中を漕いでるつもり、という哀しいギャップが、、、

で、前置きが長くなりましたが、
靴作りでも、普段使わない筋肉を鍛えないと出来ない工程というのがいくつかあります。
命名、「パターン筋」「つりこみ筋」などなど。。。。

パターン作りは、紙を直接木型に当てて作るので、ポイントとなる部分が数ミリずれても大きな誤差となりますので、
親指でがっ!と!紙を押さえて1ミリたりともずらさないようにする際に、慣れないと親指付け根の筋肉が
痙攣してわなわなしてきます。これが「パターン筋」。
そして、木型に甲革(アッパー)を吸い付かせて立体にする際に、工具を使って革を引きます。
これまた力づくじゃ革を痛めますが、しかし力は必要!という時に出てくるのが「つりこみ筋」。
慣れないと、全く木型に吸い付いていないアッパーを見つつ、すでに指と腕がつりそうで泣きたくなる、
というかなり地味で普段意識した事のない筋肉の存在を知ることになります。

まだ色々ある気がしますが、これらを鍛える為に指に重りを付けて筋トレするより、
靴を作ってるうちに自然についてくるのを待つのが得策かも。
必死で作業してるのに一向に進まない、、、という哀しさも時間が解決してくれると思います(笑)。
久々につり込みすると、ちょっと運動したような気分になったりして、
最近の運動不足でなまった体には丁度よいような、、、、

独立した当初は、「これで毎日靴が作れる!」と思っていましたが、
フタを空けてみると靴作り以外の諸々の多さに、戸惑う&焦る日々が続いていましたが、
最近ようやくそれにも慣れてきた気がします。「雑用筋」が付いて来た感。

海にも行けないだけあって、毎日やることが押し寄せていますが
そんな中でもフルオーダーは、じっくり時間をかけて取り組んで行きたいと思っています。
実際の製作時間がどれくらいかかるとか、今の所全く考えないようにしています。
オーダーは随時受け付けておりますので、お気軽にご相談下さいませ。
が、一人で作れる分は限られておりますので、
現時点で頂いているオーダーを除いて、今後オーダーを頂く分に関しては、
仮靴を含め、納期は7月末以降になりますので、
申し訳ありませんが、何卒ご了承下さいませ。

春の風が吹くベランダで海に思いをはせつつも、
今後の事について色々思いついたことがありますので、また追ってご報告致します!

筋トレ、しないと!

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