気付けば夏。
皆様、いかがお過ごしですか?
工房は最上階ということもあり、なかなかすぐにはクーラーが効かないのですが、
お教室のある日はちゃんとクーラー入れてます。
自分一人だと、風が気持ちよく通る暑い部屋で、汗をだらだらかきながら靴作りするのも、
「夏ダーッツ!!」って叫ぶような開放感もあり好きなんですけどね。
ほんとは「海ダーっつ!!」って叫びたいとこですが。
そして最近すっかりブログ更新から遠のいていました。スミマセン、、、、。。
が、しかし、instagram へのアップはほぼ毎日、
facebook も週に何回か。
それで、ほぼお伝え出来ちゃってるのですよね〜。(言い訳か?)
6月の個展以来、何だかんだとほぼノンストップで8月に突入しています。
今月一杯は、「時間」との闘いになるようなスケジュール。
この仕事は本当に、「時間」がかかる。
そしてその仕事の時間、の中身が見えづらい仕事でもあります。
春からスタートした「お試しコース」の靴作りでも、生徒さんは皆新しいことを学ぶ楽しさの一方、
「こんなに大変だと思わなかった。」「工程が沢山ある」「思ったより時間がかかった。」
などなど様々な感想の中でも、特に「時間がかかるー」的なものが多いです。
お試しコースは、通常より手間を省きつつ、その省いた手間が逆にラフな味になるような、
かなりカジュアルなデザインで作れる靴を提案しています。
なるべく、靴作りの美味しい所だけ、
地味で結果が見えづらい部分は省いて、作れるようにしているつもりだったのですが、
やっぱり 美味しいとこだけ って訳には行かなかったかな、、、?!
でもね、その、「なんかこの先にもっと深い世界がありそう。」
「自由に作れる、ってどんな気分だろう?!』「ダイヘンなことって面白そう!』
そんな風に、少しでも感じてくれたら、好奇心がむくむく顔を出してくれたらいいな、
って思っています。
そのきっかけになる、「お試し」になればいいなーと。
本コースの生徒さんは、じっくりじっくり取り組んでいますので、まだkisakishoes靴教室での作品がないのですが、
お試しコースでの生徒さんが、先日ついに第一号の靴を出産した時は、私も嬉しかったです。
本人も、「ちょっと泣きそう〜」って、喜んでました。
だって、時間、がかかってますからね。一つ一つ、時間をかけて形になる喜びは、なんというか、
日常の思考回路にもたまに生かされて来ます。
出来ないかも、と思った事が、一つ。そして、一つ。
積み重ねて行った時間の先に、出来ないよそんなの、と思っていたことが、あれ?出来てる。
となる、そのストンと腑に落ちる感じ。気がついたら、前と違う場所から自分を見れてるその感じ。
私自身が、けっこうせっかちだから、靴作りを始めてから体で知ったその感触は、
日々の靴作り以外の場面でも自分自身を励ましてくれているものでもあります。
時間、がくれるものは本当に想像を超えていますので、
生徒さんもあんまり焦る事なくね。、でも一つづつ、出来ない自分も時に楽しみながら、
関係ない話で盛り上がるだけの日があってもいいじゃない!って位の楽な気持ちで続けて行って下さい。
でも、続けないと分からない、ってのが肝です。時間かかるからね。
忍耐を学びながら(笑)、楽しくこれからも一緒に靴作りして行きましょう〜!
kisakishoesのお教室は、そんな感じでまだこれから、沢山の生徒さんや靴に出会って行く場所、
になるかと思います。何でも始まりの頃、って何かワクワク感がありますから、このフレッシュさを生徒さんにも
前向きに捉えて頂ければと思っています。
で、自分のお教室はまだ始まって1年少しの新人ですが、
私が今、それを当たり前のように出来ているのは、経験を積ませてもらって来たから。
そのための時間を与えてもらって来たからです。
靴作りの重要な基礎を学び、スタッフとして招き入れてもらい、その後お教室のアシスタントとして働かせてもらっていた
BENCHWORKSTUDYという靴工房があります。
10年に渡り、主宰である靴職人、通称ユキさんの元で、長年、涙有り、笑い有り、本当に様々な学びを体験を、させて貰いました。
この3年間週末だけ、教室のパターン&縫製コーナーのアシスタントとして、kisakishoes立ち上げ後も働かせて貰っていましたが、
先週完全に卒業致しました。
色んな思い出があります。まだお教室に通っていた学生時代、もう靴作りで生きてくことは決めていたのですが、
昼間は生活のためのOL仕事。帰宅後の夜の靴作りで、なかなか思うような靴が作れない。
スランプに陥って「ユキさん、私は少し休養して、自分がどういう靴を作りたいのか改めて考え直したいです」。
生徒からいきなりそんなメール。今自分が製作していると分かりますが、メールの返信て一旦作業が止まるのですよ。
それでも、長い返信が来ました。
「休むならそれで結構、どうぞごゆっくり。先急いで1足作っても何にも手応えがないから答えが見つからない。
スランプでも、何でも、手を止めない事。1足にじっくり向き合う。そうやって答えを見つける事も出来ます。、、、」
たしか、そんな内容だった気がします。
翌日から、仕事が終わってから夜、5ミリ厚の革を1枚、1枚、積み上げて行ってヒールを作る作業に没頭。
週末のお教室でその靴を見てもらったら、「いいじゃん!どうしたの?綺麗に出来てる!時間かかった?!』
と言われて、すっかり休む気など無くなった事がありました。
靴作りの、重要な起点、起点、で常に前向きで、大きな視点で、知的な、プロとしてのアドバイスを頂けた事。
靴を作る、という技術的なことだけでなく、もっと根幹となる多くの事を学ばせて頂いた事、
とにかく遊びも仕事もエネルギッシュな師匠を持てた事が、自分のこれからにも重要な意味を持つ気がしています。
それらのベースを、今度は自身のお客様や生徒さんに、自分のコトバを使って伝えて行く。
そんな未来への新しい気分も重みも、改めて感じた先週末でした。
この工房もまもなく3年経ちますしね。
3年一巡り、気分も新たにどうぞどうぞ、宜しくお願い致します。
そしてそして、そんな訳で、
土曜日のクラスが新しくスタートします。
朝のクラスと昼のクラスの2コマ。
土日休みの方には、今まで日曜の1コマしかなかったのですが、
かなり選択肢が増えたのでは?!と思います。
お試しコース、本コース、共に募集を開始致します。
HPのschoolの、メールフォームよりご連絡下さいませ。
http://www.kisakishoes.com/school/
靴、作ろうぜ!