kisakishoesの日記

注文靴と靴教室 キサキシューズ

くりかえし2013



2013、始まりました。

今日はひたすらパターンメイキング。

年末、師匠の工房にてジョンロブ パリのパターンメイカーである黒木氏のパターン講座に参加させて頂きました。
毎年、年末に帰国される黒木氏は師匠の戦友といった所でしょうか?
毎年こんな貴重な機会をもうけて頂いて感謝に尽きます、そしてやはり今年も思った事。

靴は立体、パターンは平面、、、、、平面で計算されたものが立体になって行くその間に起こる微妙な誤差、
この講座のパターンでも緻密に計算されていました。
K氏に聞いてみたところ「実際に使う革でサンプルを作ってみて、それを繰り返すことで一番いいラインを探して行く」。
使う革の厚みや質感によっても変わってくるし、もちろん木型の形状によってもバランスが変わってくる。
初めからこれが正解というものはなく、こんなに伝統と技術の蓄積されたブランドでも繰り返しサンプル作りを繰り返す。

かつて師匠の工房でパターンを作っていた時、なかなかOKがもらえず、
工房に残って泣きながら同じパターンを30枚位ひたすら切り続けたことがありました。
ナイフと紙と目と手と、一つに繋がらないと出来ない、だから出来ない、だから繰り返す。
完璧に一つにつながったラインで切る。そしてそれは履く人にとって心地よいものでなければならない。
ただ紙を切るだけ、でもその中に深い学びと発見があり未だに繰り返し続き、
全ての工程においてそれは繰り返され、足が変わればまた初めから繰り返され、、、

「平面で美しくないものは、立体になっても美しくない」。
師匠からのコトバを胸に、今年もひたすら繰り返し、いやと言う程ただただひたすら繰り返すことを誓った
2013始め、
今年もどうぞ、よろしくお願い致します。

好きなものは変わらないことも繰り返し、
谷川俊太郎の「くりかえす」も再読しつつ,
くりかえすことの中に新しさを発見する喜びを
一人でなく皆と共有できる1年となりますように、、、、